【ルーツを探る】福井県へ

山遊舎くま

2015年09月04日 22:53


   先日、福井県へ行ってきました。福井のある町のとある場所へ行くことがいちばんの目的でした。
   その場所は、先日、父方の除籍謄本を取り寄せた時に知った場所、曾祖母の本籍があったところです。


    この春、おじを訪ねて昔の話を聞いた時に、「そういえば、ばあさんの家のもともとの出は福井やで」と話してくれました。生まれて数十年、まったく知りませんでした。祖母の生まれについて聞いたことがあったのは、「若いころ北海道にいた」ということ。そんな祖母がなぜ大阪の祖父と出会い、結婚したのか、不思議でした。そこにさらに「福井やで」。ますます祖母がわからなくなりました。おばあちゃん、もっと聞いておけばよかった。


    そこで、祖母の戸籍をたどってみました。ちょうど役所が混んでいて、半日間待ち続けて、ようやく手にした除籍謄本。そこにあった曾祖母の結婚前の本籍地の地名。それが福井県のある町でした。まったく知らなかったまちが急に身近になりました。

   そのまちは、とてもすてきなまちでした。しかし、曾祖母の家がかつてあった場所は限界集落。数年後には姿を消してしまいます。お宮さんも、すでに合祀された後のようでした。

   曾祖母の地を訪ねて、不思議だったことが2つありました。一つ目がそのお宮さんを見た時。朽ち果て始めていて、草も刈られていないそのお社を目にした時、「こんなにぼろぼろになって」と思わず口にしてしまいました。その気持ちは、初めての場所ではなく、自分が見知ったお社と違うという気持ち。そこから出た言葉でした。私にとっては生まれて初めての場所なのに。

   そして、もうひとつが曾祖母の本籍地のあたりに行った時、一羽の黒い蝶がどこからともなく飛んできました。静かにそれはやってきて、わたしたちの頭上を飛び、ゆっくりと対岸の森へ消えていきました。
   黒い蝶は先祖が姿を変えたものだという話があるそうです。曾祖母は結婚して、この地を出て、遠く北海道へ渡りました。そこで祖母たち兄弟を育てたのでしょう。結婚後、この地へ帰ることはあったのでしょうか。この黒い蝶が、曾祖母の化身のように思えてなりませんでした。


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