2015年10月27日 【大阪商人太平記より】大阪人の姿

ちょうど今朝ドラで「あさが来た」をしていますが、その時代考証にあたられている宮本又郎先生のお父さんで、近代大阪、大阪経済を中心にした日本経済史の著名な研究者です。
宮本先生の著作に、「大阪商人太平記」というものがあります。維新編からはじまるのですが、これがとてもおもしろい。
「あさが来た」の人気の要因にはいろいろあるようですが、近代の大阪を支えた「あきない人」たちの姿が描かれていることもあるのだと思っています。そんな「あきない人」たちのことが書かれているのが、この「大阪商人太平記」です。
その中に、宮本先生が大阪人(主には大阪商人)を評したところがあります。大阪弁と大阪人の人柄を知る手がかりになるところ、ポイントをまとめておきたいと思います。
【宮本又次「大阪商人太平記 明治中期編」(1961) はしがき より】
※「⇒」は私の気になった点、感想です。
「始末」「もったいない」
:大阪人には元来節約勤倹の精神があった。
⇒近江商人からきたものなのでしょうか。
「エエヨウ」(栄耀)と「セチベン」「シブチン」
:栄耀を警戒、それでもケチンボはあかん。物汚い人、高利をとるもの、貪欲な人は排除。
「エゲツナイ」
:忌み嫌い、好ましくない、悪徳とする。
「コスイ」「ゴテ」と「オットリ」
:コスイもゴテも爪弾きされ、大様で心や動作がゆったりとしたオットリが好まれた。
⇒オットリは、新次郎さんにあう言葉ですね。いつも巾着をブラブラさせてるし。
「アコギ」
:際限なく貪ること。軽蔑の対象。
「エグイ」
:ひどくむごたらしい辛辣な行動は「エグイタラシイ」といって顔を背けた。
「ドクショウ」(毒性)
:大阪人にはできぬこと。本来の大阪商人ではない人々の行動。ほんまもんの大阪人は憎んだ行動。
⇒具体的にはどんなこと? 調べてみます。
「セッショウ」(殺生)
:「そらセッショウや」というが、すべきではないと自戒。
⇒雁助さんや亀助さんが言いそうや。
「アカメツル」
:赤目を見せていがみあうこと。望まないこと。
「ズボラ」「ノラ」「ノロマ」「ゴンタ」
:正しい大阪商人はズボラを嫌い、道楽ややりっぱなし、ノラやのろまを嫌悪した。極道や権太(ごんた)は悪徳で、律儀な礼儀正しさを良しとした。
「ショウムナイ」「ショビン」
:始末しながらも、見栄をはることもあり、世間体を気にかけ、ショウムナイことやショビンなことは恥ずかしいこととした。
⇒始末と見栄張、バランスはどのあたり?
「ゴテクサ」
:空論でゴテクサ言うことを忌む。気軽、尻軽で、気さくであることを美徳。気持ちがさっぱりしていて、気さくで、明朗で、物事にこだわらないことを良しとした。
⇒「ゴテ言うな」と言われた記憶があります。。。
「ケッチャク」(決着)
:なんでも敏速に決着することが大切。
Posted by
山遊舎くま
at
11:21
│Comments(
0
) │
大阪府
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。